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設立趣意書

【趣旨】
2001年「小田原宿なりわい交流館・角吉」(以下、「角吉」)が開館しました。新しい世紀の幕開けにふさわしく、小田原の街に大きな転機をもたらしつつあります。
ひとつは、「交流拠点都市」づくりの一環を担うべき、世界的にも新しい「なりわい交流」というコンセプトが示されていることです。
もうひとつは、市所有の公共施設でありながら、市民に広く開かれた運営の余地があることです。ただ、そうした「新しさ」は「未完成」をも意味しています。
市民がどのように関わってゆくのか、そして関わりの鍵となる「なりわい交流」とはどういったものなのかについての具体像は、必ずしも見えていません。そうした市民によるまちづくりとしての「なりわい交流」を模索しながら実践してゆく「つどい」として「小田原角吉倶楽部」を立ち上げたいと思います。

【理念】
これまでの社会は、「公」と「民」とがはっきりと役割分担し、「公」は公正を「民」は利潤を求めるといった固定観念になっていました。この図式でうまく回ってきた私たちは、物質的な「ゆたかさ」を手にしました。しかし今、大きな転機を迎えつつあります。「角吉」で私たちが手さぐりで見つけようとしている、市民によるまちづくりとしての「なりわい交流」は、こうした「公」と「民」が分極した図式を考え直そうとする実験です。
「地域力をつける」という共通の目標のもとで「公」と「民」が協働することによってはじめて、襲いくるグローバライゼーションの波のもとでも、私たちは心からの「ゆたかさ」を手にすることができるでしょう。
小田原の「地域力」の源とは何でしょうか。この街には数百年に渡って培われてきた生産と生活の技術、言い換えれば「なりわい」が息づいています。この「なりわい」の文化こそが、この街とこの街に暮らす者が、再び大きく世界に飛翔するための鍵ではないでしょうか。
もう一度立ち止まって「なりわい」について思いをはせましょう。豊かな自然の恵みを、街に暮らす人たちの知恵で、より「すぐれた」、より「うつくしい」、より「なじみやすい」品や技に昇華させてゆく。そうした、生産とそれを支える生活こそが「なりわい」の文化と言えないでしょうか。
たとえば使い途のない魚をあつかう知恵からあみだされた蒲鉾が、旅人や粋人の求めに応えながら、全国でも稀にみる芸術とも呼ぶべき「小田原蒲鉾」に昇華していった歴史は、まさに「なりわい」の息づく生活を象徴しています。
小田原の再生は、この街と人の原点である「なりわい」を、現代によみがえらせることから歩みはじめるのではないでしょうか。「小田原角吉倶楽部」が目ざす市民によるまちづくりとしての「なりわい交流」の実践は、こうしたわが街のルネサンスの第一歩にほかなりません。

【実践】
「小田原角吉倶楽部」は、「角吉」運営の意思決定機関である角吉運営委員会(行政と地域住民とで構成)と協調しながら、「角吉」を中心とした、市民によるまちづくりとしての「なりわい交流」を企画、立案、調整してゆきます。具体的には、すでにある「なりわい」の実践、すなわちわが街の生業とわが街の生活をできうるかぎり吸収しながら、「角吉」を舞台として、より広く市民に開き、交流をうながします。
そこで「小田原角吉倶楽部」では、「なりわい」実践と「角吉」との接点を広げるために、「なりわい」実践に携わるすべての人を幅ひろく迎えます。とともに企画・立案・調整作業を円滑におこなうための知恵や人手を確保するために、中核となる会員を募ります。
「小田原角吉倶楽部」の出発にあたって、私たちは「なりわい歳時記」を企画しました。皆さんと折々の自然の恵みを楽しみながら、先人の知恵を学び、現代によみがえらせる活動です。新しい人と物と街の出逢いを生み出す「出来事」が、「なりわい歳時記」を通じて、小田原に満ち溢れるきっかけとなることを心から願っています。

設立発起人
石崎雅美・石塚義孝・岩瀬照子・小早川のぞみ・佐藤昭男・杉本洋文・田中洋美
堤 英昭・内藤英治・早瀬幸弘・平井丈夫・平井太郎(五十音順)
by young-be | 2005-05-08 13:07 | 設立趣意書